九話

春かと見紛うほどうららかな、とある秋の日の午後。  木漏れ日の網目紋様で彩られた山の小道を、ザオネイルはゆったりとした足取りで進んでいた。時折立ち止まり、何かに耳を澄ませるような仕草をしては、再び歩き出す。  やがてその背後から、軽やかな人の走る足音が近付いてきた。  頬を赤くし、髪を背中で跳ねさせながら、ザオネイルの姿を見つけるなりアイリスは不満の声を上げる。 「ちょっとー! お弁当買うまで待っ...

くわしくはこちら… »