五話 (1)
「――では、兵部のほうはそのように。他に報告はないか」 「お待ちください、太子殿下」 居並ぶ高官の中から、一人の男が進み出て、一段高いところに座る慧俊に、うやうやしく頭を下げた。 「何かあるか、王兵部侍郎」 「いまのお話では、そのぅ、兵部の装備に関わる予算が、だいぶ減っているようでございますが……」 「亥州の内乱は刺史の交代で鎮圧された。さしあたり、重装備のほうはいいだろう。その代わり、現場のほ...
くわしくはこちら »五話 (2)
「……うわー、似合わない格好しちまって」 「同感だな」 口から泡を吹いて倒れている侍女をよく見れば、身なりこそ侍女の服だが、顔はどう見ても男である。そして、手にはそれぞれ、短剣を握っている。 「何だ、殺さなかったんですか、殿下」 「きみこそ斬らなかったのか」 「一応抜きましたけどね、気配を隠すこともろくにできない刺客なんて、まぁ、柄で殴っとく程度でいいかと思いまして」 「それも同感だ」 結局斬...
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