六話 (1)

 琵琶が激しく掻き鳴らされる。 その速い曲調に合わせて、長い袖を振りながら床を蹴って飛び、着地したところで身をひるがえし――だが、そこで舞手は、自分の肩に掛けていた領巾の端を踏んで、よろめいた。 「そこまで!」  鋭い声に琵琶が止み、舞手の佳葉は、もう二、三歩よろけて、ようやく足を止めた。 「佳葉。身に着ける衣装もすべて、自分の体の一部と思いなさい。意のままに操れぬようでは、鍛錬が足りぬ」 「……...

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六話 (2)

 珠燕がのろのろと、最初の構えをとった。  琵琶が鳴る。  初めは緩やかに、やがて、徐々に速く、激しく―― 速い曲調のときに片足立ちで回転したり、飛んだりすることが多いため、静止して体の均衡を保つ間がない。珠燕は必死で曲についていこうとしていたが、曲調が急にゆっくりになったとき、足をもたつかせ、床に転んでしまった。 「……もうよい。そこまで」  貞琴がため息混じりに言い、琵琶が止む。 「いいでしょ...

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