十二話 (1)
「……いつから、気づいてたの?」 佳葉の部屋で濡れた衣装を着替え、解いた髪を拭きながら、愛鈴はぽつりと訊いた。 「あんな爺さんの庭師が派手な布を腰から下げてて、そのたびにあんたが声をかけて、あたしから帯やら上着やらを借りていって、なのにひと晩で返しにきてれば、国一番の馬鹿でもない限り、気づくでしょ」 「……」 「あんたは隠し事が下手なの。あたし以外に誰も気づいてないのは、あたし以外、あんたを気に...
くわしくはこちら »十二話 (2)
佳葉の部屋を追い出され、愛鈴は仕方なく自分の部屋に戻った。 ……佳葉ちゃん、わかってたんだ。 さして追究もせずに、いつもいろいろと貸してくれた。ずいぶんおかしなことだと思っていただろうに。 でも、びっくりした。……慧俊様に、全然遠慮しないんだもん。 もともと物怖じしない性質ではあるが、太子相手に大胆な態度だった。 「……」 あなたが、この子を大事にしてくださるなら。 無論だ。 ――...
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