十九話
すっかり夜も更けてから、慈雲が東和殿の慧俊の部屋を訪れた。 慧俊は独り、茶を片手に漉し餡入りの団子を食べていた。 「旨そうですね。毒入りですか?」 「あいにくだが、この世で一番、安心して食べられるものだ」 「へぇ、おひとつ頂いても?」 「やらん」 「そんなにいっぱいあるんだから、いいじゃないですか」 慧俊は竹皮の包みを隠すように腕に抱え、かなり本気で慈雲を睨む。 「きみは家で食事をとったんだ...
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すっかり夜も更けてから、慈雲が東和殿の慧俊の部屋を訪れた。 慧俊は独り、茶を片手に漉し餡入りの団子を食べていた。 「旨そうですね。毒入りですか?」 「あいにくだが、この世で一番、安心して食べられるものだ」 「へぇ、おひとつ頂いても?」 「やらん」 「そんなにいっぱいあるんだから、いいじゃないですか」 慧俊は竹皮の包みを隠すように腕に抱え、かなり本気で慈雲を睨む。 「きみは家で食事をとったんだ...
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