二十二話(1)
愛鈴がたった一人で貞琴の指導を受けているという話は、すぐに宮妓らに広まった。 命じたはずの繕い物を佳葉に突き返され、怒った妓女たちが愛鈴を雑用に戻させようと、稽古場に向かったが、その稽古の様子を見て、誰も声をかけることすらできず、宿舎に帰っていった。 琵琶一本で貞琴が『雪月梅花』の曲を弾き、愛鈴がそれに合わせて舞う。 ときおり貞琴の厳しい声が飛び、外から稽古を覗き見る妓女たちが震え上がる。 ...
くわしくはこちら »二十二話(2)
「あの子なら間に合うって、言い切れるほどには、あの子のこと見てたんだろ」 「だから、見てただけよ」 「ずっと見てたから、信じられたんだ。信じてるから、黙って見てるんだろ」 「……」 「何にでも手を出せばいいってもんじゃないよ、佳葉。手助けとお節介は、案外紙一重だ。それに、誰だって保身は考える。あの子に手を貸さないのがおまえの保身なら、苦労を受け入れたのも、あの子の保身だったんじゃないのか?」 人...
くわしくはこちら »