二十七話(1)
かの『雪月梅花』を舞う妓女。 その立場は、愛鈴が考えていた以上に、重く見られているようだった。 ――帝の宴の二日後、愛鈴は、また宴に呼ばれた。 生暖かい風が、物憂げに小笹の繁みを揺らす昼下がり。 本来は来賓をもてなすための場である龍泉宮の庭には、慧俊と五人の貴族、それと何故か、貴族の娘たちも五人、同席していた。 「……いったい何なのよ、あれ」 またも愛鈴に付き添ってきた佳葉は、冷めた目で...
くわしくはこちら »二十七話(2)
「さて、次は誰の番かな。――おお、『雪月梅花』の妓女がいただろう!」 「……」 愛鈴は黙って前に進み出て、一礼する。 慧俊は、どこか困ったような顔で、愛鈴を見つめていた。 ……どうして。 そんな顔を、しているのだろう。 物言いたげな慧俊に、愛鈴は少しだけ目を細め、唇をほころばせた笑みで応える。 構えて。 楽の音とともに、愛鈴が舞い始める。 と―― 「危ない……!」 悲鳴のような叫...
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