三十三話(1)
小鳥の鳴く声がする。 目覚めたのは、いつもと同じ朝。――同じ部屋の、見慣れた光景。 「あ、起きた」 ……に、何故か、佳葉がいた。 「佳葉……ちゃん?」 「おはよ。気分はどう?」 「……どうなのかなぁ……」 いつもと同じ目覚めのはずなのに、妙に体がだるい。 「どうなのかなぁって何よ。いいのか悪いのか、はっきりしなさい」 「悪くはないんだけど……」 佳葉は愛鈴の寝台を覗き込んで、困ったような呆...
くわしくはこちら »三十三話(2)
「途中で起きちゃったら、やだ……」 「あんたの恋人でしょっ」 「そ……そうなの?」 「あたしに訊かないでよっ」 「……起きているが目はつぶっているから、いまのうちに身支度してもらえないか」 きゃっと叫んで、愛鈴と佳葉は同時に振り向いた。 「いやだ、起きてたんですか?」 「話し声が聞こえたからな」 「ご、ごめんなさい……」 目を開け、苦笑して慧俊は起き上がった。愛鈴は、思わず佳葉の後ろに隠れてし...
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