八話

……何てこと……。  御簾の中に駆け込んだ詞子は、廂に突っ伏して袖で顔を覆っていた。胸が痛いほど鳴っている。うまく息もできない。  誰もいない、いるはずもないと油断して、外に出てしまった。ちょっと桜を眺めて、すぐに中に入るつもりが、間近に行くと、やはり御簾の内から見るよりはるかに美しく、つい、時を忘れた。  油断した罰が当たったのだ。……見ず知らずの男に、はっきりと姿を見られてしまった。  女がむ...

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